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とりあえず、鑑賞したり読んだりした「本」「映画」「音楽」は、極力それについて書いてみようと思います。

51fvaI3hDDL._SL500_AA240_.jpg善き人のためのソナタ
原題:Das Leben der Anderen
出演:ウルリッヒ・ミューエ
マルティナ・ゲデック
セバスチャン・コッホ
ウルリッヒ・トゥクル





米アカデミー賞の外国語映画賞の受賞で話題になった映画を(レンタルですら)大分遅れて観た。
この作品のCFを昔見て、設定やなんかに興味を引かれはしたんだけど、

「それを本気で聴いたものは、悪人にはなれない」

とか、そんな感じのコピーが出てきたので観る気をなくしてそのままだったんです。なんだよ「悪人にはなれない」って。でもこの言葉、レーニンが言ったものを引用しただけだったらしい。

ドイツ映画はシックな、というか、すごくいい意味で「型にはまった」美意識のもとにデザインされたような、落ち着いた、落ちすぎて地の底に着いてしまった感じの色使いが良い。ドイツ人って、普通は滅多に中間色をデザインに使いたがらないらしいね。伝聞ですが。
女優が脱いでても全然エロくない。それもまた現代ドイツ映画の特徴なんだろうか。

この作品は、多分観る人によっては、取り分けハリウッド的勧善懲悪劇に慣れちゃった人には、東独の政治体制を批判した西側万歳映画で、主人公(ヒーロー)はドライマンで、クリスタは悲劇のヒロインで、尊い(ネタバレ)なんだろうが。
そういう自国の体制を礼賛したイデオロジスティックな映画って、つまりアメリカマンセー映画の原点って、ナチス時代のプロパガンダ映画がそれに当たるとも言われているんです。関係性を破る物語にカタルシス的演出を付与した(ちょっと前までの)ハリウッド的物語のルーツはナチスの映画だ、と。そういう受容のされかたによって、アメリカでアカデミー賞を受賞したんだとすれば、それはそれで滑稽な気もするけど、考えすぎか。

でもまあ、世界最古の映画史を持つ国の一つであるドイツにとって、ナチス的なプロパガンダムービーは70年前に通った道のはずなんで、政治的な視点を入れずに観ようと極力つとめていました。というか、舞台設定を現代に置き換えても大筋の物語はやれそうな気がするんだけど……通信傍受法とか。エシュロンとか。

以下ネタバレ

と思っていたら、ラスト近くでベルリンの壁が崩壊した。
これは東ドイツネタでしかやれない映画だ。

自由にモノを言えない監視社会が恐ろしいというのはその通りで、それをなんとか潜り抜けて、本当に自分の言葉で書かれたものを発信したい、というドライマンの情熱に周囲が感染していく、というタイプの物語である事は否めない。
ただ、そんなドライマンが、東西統一後になんで何も書かなくなったのか。という疑問は残るけれど。

ヴィースラーがドライマンを庇っていた理由の一つも、結局クリスタが大きく絡んでいるんじゃなかろうか。大臣に手篭めにされかけた彼女に突っぱねるよう諭したのも彼だし。
終盤にクリスタを尋問するシーンで、彼女がヴィースラーの顔を覚えていたのか、ヴィースラーの「ファンを悲しませるな」という言葉をどう受け止めたのか、明確に描かれてはいないが、少なくともヴィースラーにとっては、ドライマンと彼女をまだ救える事を含めたニュアンスだったのは間違いない。

そんな風に観ると、ある種のラブストーリー映画に見えないこともないですね。

クリスタを自殺に追いやったのはなんだったのか。
東ドイツの国家体制だ、と言う事も出来る。
彼がシュピーゲル誌に寄稿した文章にあったように。
だが同時に、ドライマンの反抗の犠牲になった、とも言える。
そして、引き金を引いたのはヴィースラーのおせっかいだった、とも。

あまりにもピッタリと、パズルのピースのように個々の人間が噛み合った「大変よくできた映画」でした。
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