単純じゃない

相変わらず自宅のPCはネットつながりませんが。
友人宅から。

「単純じゃないよね」
自分でそう口にした瞬間。
ものっすごい、便利なセリフだなぁと、思った。

悩んでいるわけでもなく、単に「考える」という奇特な趣味を持つ自分にとって、森羅万象あらゆる事物を微分したり分解したり構造化したり組み立てたりすることが習慣と化している自分にとって、その試みにストップをかけるようなこの言葉は、本来あまり出会いたくないものなんだけれども。

「単純じゃない」と、不意に自らの口をついて出たその瞬間、大げさではなく、なにか救われたような気がした。それについて考えることを「保留」にしておこう、と無意識に決めたときに、ああ悩んでいたんだな、と初めて気付かされる。単純だろうが複雑だろうが、知らなくても良い事、知る必要の無い事が、やっぱり世にはあるもんだなあ、と、ひょっとしたら生まれて初めて、思う。

優しくも微妙に卑怯で、便利な台詞だ、本当。

黒山羊さんと白山羊さんて、読まずに手紙を食べ続けられるうちは、仲良いのかもなあ、とか。
郵便論的だし、存在的だが。

…まあ単純じゃないね。