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アカルイミライで知った黒沢清。
回路とか降霊とかドッペルゲンガーとか叫とかでホラー映画監督と思われてそうではあるけれども。
どうもホラー映画には思えないんだよね。別に怖くはないし。

いや、ほんとに怖くない。
ここまで怖くないものをホラー映画扱いしちゃっていいのか。
『叫』はなんか、Jホラーブームの影響ありありでつまらんかったですよ。


4166ERHW0YL._SS500_.jpg監督 黒沢清

出演 役所広司
    萩原聖人








黒沢映画っていつもなんか「有る」んだよな~、とか、この人が監督した膨大な作品のごく一部だけ観て言えたものではないかもしれないが。

つまり映画を支配している固有の空気の事なのですが、単純に言えば「不安」だとか「浮遊感」になるのか。
でもどうも、しっくり来ない。「幽霊感」とか。
悲哀の感情をスパッと拒絶したときに生まれる、ある種の虚無感、虚無感に伴った激情のようなものが、方向性が定まらず、発火するでもなく、ふわふわ幽霊のように浮遊している、そんな不安。

そういう不安を噴出させる発火装置が、この映画の萩原聖人だったり、アカルイミライの浅野忠信だったりするのだろうか。

※以下ネタバレ



ラスト付近、ファミレスのカットの前に登場する遺体はおそらく、主人公の妻なんだろう。
役所が萩原を撃つシーンは現実を描いたものなんだろうか。

また勝手な考察をさせてもらうと、あの銃撃のシーンを描けば、妻を直接殺めるシーンは要らないし、妻を殺してしまうシーンがあったら、敢えて銃撃のシーンまで描く必要もない。その二つは主人公の不安の解消という共通の意味を持っているからだ。

不安を文字通り撃ち消すあの場面は、この映画のカタルシスなのか。
黒沢映画っていつも、どう頑張ってもカタルシスに成り得ない、
失敗反応みたいな悲しいカタルシスを描くよなあ。
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